例えば建物の場合、壁が割れてきたり、扉がずれて閉まらなくなったり、床が傾いてきたりしたら、まず床下を覗いて柱は大丈夫か?地盤は大丈夫かを疑います。
積み木を積むときは一番下に斜めの積み木を置いたら、上に積むときにどんどんずれていってしまうので、そうならないように真っ直ぐな形のものを積みます。
はしご車のはしごを伸ばすためには、大きなアームで車体を安定させて、アームの重さに耐えられるように気を使います。
このように全て地面の上にあるものは、まず一番下の部分を安定させることが基本になるのは、誰でも知っていることです。
ところが身体のゆがみになると、それが分からなくなります。
当院に来てくれたかたに、「実はその異常は足の裏のゆがみから来ていますよ」といっても、最初は「えっ?」と皆さん思われるようです。
こと身体のことになると、重力を忘れ何か難しい超常的な理が働いていると皆さん思っているようです。
ですが答えは意外と簡単なことなのです。
ちょっと想像してみて下さい。
足の裏の、例えばかかとに体重がかかっている人は、後ろに倒れそうになっています。そこで倒れないようバランスを取るために、結果猫背や反り腰になってしまいます。
またハイヒールなどをはいている人は、足の指の付け根のとても狭い範囲で身体を支えるためにぐらぐらになってしまって、それを防ぐためにいつも背中や足の付け根が緊張し、首がカチカチに凝ってしまいます。
このように悪い使い方によって変形してしまった足は、必ず身体に悪い影響を及ぼします。
それは肩こりや腰痛などだけでなく、それこそあらゆる病気の根っこには足の異常があると考えられます。
これを見逃して、何の対処もせず、ただ悪くなったところを手当てしても、その場しのぎにしかなりません。
では悪い足の見分け方を教えましょう。
まず分かりやすいのは外反母趾です。
足の親指が、付け根から身体の外側に向かって曲がっていて、医学的には15度以上の角度で曲がっているものを言います。これが30度を越すと、身体に悪影響が出てしまいます。
次が浮き指です。
親指を下から押したときに、90度以上曲がると、これも身体に悪影響が出てしまいます。
正常なのは、男性で45度前後。女性で75度前後だということが分かっています。
そして立ったときに土踏まずが無くなる、いわゆる偏平足。
巻き爪も代表的な変形のひとつです。これは浮き指などが原因です。
因みにうちではほぼ必ず足はチェックしていて、身体の不調を訴えるかたのほぼ全員に異常が見つかっています。
実は私もダメな足の人でした。
皆さんも是非一度確認してみて下さいね。